コラム
脳梗塞の急性期治療
血栓溶解療法
発症超早期(3~6時間以内)につまった血管を再開通させることができたら、症状が劇的によくなる可能性があります。血栓溶解剤や血管内治療を必要とする特殊な治療法で、危険な副作用もおこる可能性がありますので、専門病院で行われます。
抗血小板剤
血管を固める役割をする血球である血小板の機能を阻害し、血液が固まりにくくする薬です。これ以上脳梗塞が広がったり、再発するのを予防します。急性期に点滴で、落ち着けば内服薬で使用します。
脳保護剤
脳梗塞のため痛んでいるがまだ死滅していない脳細胞を守る薬です。急性期に点滴で使用します。
脳出血の治療
降圧剤で血圧をコントロールして出血が大きくなるのを防ぎます。出血の周囲の脳の腫れをとるために、抗浮腫剤を点滴します。出血が大きく、意識障害が強い場合は開頭術や定位的血腫吸引術で出血を取り除きます
くも膜下出血は脳動脈瘤が破裂して再出血を起すことにより死亡する可能性の高い病気です。発症早期に手術をして再破裂を防ぎます。
手術方法
脳卒中発症後の急性期治療に平行して速やかに急性期リハビリテーションを開始します。
これは急性期にベッド臥床を続けると四肢の筋力が低下し、関節が硬くなり、気力・体力も衰え、廃用の状態になります。これを予防するために種々の方法で急性期リハビリテーションを行います。一方、回復期は急性期の次の段階で脳卒中のダメージから心身が回復した状態ではじめる一歩進んだリハビリテーションで最も機能回復が見られる次期です。
個人の日常生活に見合った訓練訓練を日常生活動作、歩行、飲み込み、言語などに付き目標を決めて集中訓練します。詳しくは他項で示します。
脳卒中の予防は、2つあります。それは「一次予防」と「二次予防」です。一次予防は、毎日の生活習慣を改善して病気にならないようにすることです。これはまだ脳卒中になったことのない人が脳卒中にならないために気を付けることと考えてもらえば解りやすいです。一方、二次予防は、病気を早期発見・早期治療して、病気が進行しないようにすることです。つまり、一度脳卒中になった人が再発しにためにはどうしたらいいかと言うことです。
予防は危険因子のコントロールから
脳卒中予防十か条(日本脳卒中協会、2003年)
1. 手始めに 高血圧から 治しましょう
2. 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
3. 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
4. 予防には タバコを止める 意志を持て
5. アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
6. 高すぎる コレステロールも 見逃すな
7. お食事の 塩分・脂肪 控えめに
8. 体力に 合った運動 続けよう
9. 万病の 引き金になる 太りすぎ
10. 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
前ぶれあれば、すぐ病院へ
半身の手足に力が入らない、しびれる、しゃべれないなどの脳卒中の症状が数分から数時間続いて完全にもとに戻ることがあります。これは“一過性脳虚血発作”と呼ばれる脳梗塞の“前ぶれ”です。一時的に脳の血管が血栓でつまり、すぐに溶けて流れるために症状が消える現象です。大きな脳梗塞の前ぶれであることが多く、ほっておくと危険です。すぐに病院で検査をしてもらってください。
二次予防
再発に注意
脳梗塞の年間再発率は4~14%といわれており、再発の多い病気です。再発を予防するには、次のようなことに気をつけてください。
症状により手術が効果的なものもあります
頚動脈狭窄症(けいどうみゃくきょうさくしょう)に対しては、薬による治療よりも外科的治療を加えた方が再発率を下げることがわかっています。手術の危険性も伴いますので、専門医によく相談して下さい。
診療時間
土曜日(午前)も専門医が診察します。
午前9:00~12:00
(受付時間:8:30~11:30)
14:30~17:00(受付終了16:30)
※水曜・土曜(午後)・日曜・祝日は休診です。
※救急外来は24時間、夜間・休日対応
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