令和2年度 榮昌会吉田病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 6 21 35 77 174 268 535 569 135
令和2年度(2020年度)は1820名の患者様が退院されました。最も多い年代は80歳台となり、次いで70歳台でした。70歳以上の方は全体の68.1%となり、高齢の患者様も安心して在宅復帰できるよう超急性期治療から回復期までの一貫したリハビリテーションを行っております。また当院では10歳台の患者様も受け入れております。脳神経疾患の中には若年層の方でも発症する疾患もあります。若年層ゆえの不安や社会復帰を、医師をはじめ看護師・リハビリ療法士・医療ソーシャルワーカー等たくさんの専門職種がチームとなって丁寧に対応しています。本年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、また患者様の命を守るため面会が制限され、患者様やご家族様にとって厳しい年となりました。当院では、安全な距離をとった顔合わせやリモート面会サービス、院内Wi-Fiを完備し少しでも患者様の心が安らぐ体制づくりを目指しました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内,かつ,JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2_4あり 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale 0,1又は2 156 26.96 15.64 4.49% 73.01
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 処置2なし 定義副傷病なし 115 10.99 9.68 4.35% 79.79
010069xx99000x 脳卒中の続発症 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 113 20.72 9.70 6.19% 69.61
010230xx99x00x てんかん 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 89 7.97 7.48 4.49% 61.43
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 89 44.43 18.86 16.85% 71.76
前年度に比べ新型コロナウイルス感染症対策による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等のため予定入院が減少となりました。
最も多い「脳梗塞(3日以内)」では、発症から24時間以内に開始するエダラボン点滴を使用した急性期治療や、リハビリを行ったものです。脳梗塞は1分でも早く治療を開始することが大切です。発症4.5時間以内であれば超急性期血栓溶解療法(t-PA療法)を、数時間以内であればカテーテルを用いた経皮的血栓回収術等を行うことにより予後が左右されるため、当院は24時間365日体制で患者様を受け入れています。

2番目に多い「頭蓋・頭蓋内損傷」では、多くは「慢性硬膜下血腫」や「脳挫傷」を起こされた患者様です。「慢性硬膜下血腫」であれば診断後即入院・手術を行い10日程で退院となります。

3番目に多い「脳卒中の続発症」とは、主に脳卒中後遺症に対するボトックス治療やリハビリを目的に入院された患者様です。脳卒中はどれだけ高度な治療を行っても四肢の麻痺、痙縮、嚥下障害等の後遺症が残る場合があります。退院された後の日常生活をより快適にするために当院での治療歴の有無にかかわらずボトックス治療・CI療法・促通反復療法(川平法)・磁気刺激療法・ITB療法等を入院して行い機能改善を目指します。

4番目の「てんかん」は、てんかん発作の重積によりけいれんや意識障害が続く状態で救急搬送されてこられる患者様です。てんかん発作は、脳卒中だけではなく頭部外傷やアルコール・薬物中毒・脳炎等の原因疾患から起こる神経救急疾患のひとつです。けいれんをおこされ転倒された場合、二次的外傷を受けられることもあります。またけいれん重積状態が長く続いた場合には意識障害、呼吸困難等も起こり命にかかわることが懸念される疾患のため当院では随時受け入れています。投薬治療をおこない重積状態が落ち着けばリハビリを行い1週間ほどで退院となります。

5番目の「非外傷性頭蓋内血種」とは、いわゆる脳出血で入院された患者様です。
手術が必要な場合もありますが、合併症を予防しながらリハビリを行い、在宅復帰・職場復帰を目指します。

全体を通じて当院の入院平均在院日数が全国平均日数より長いのは、回復期リハビリテーション病棟を有し、他院に転院せずに一貫した脳卒中医療・リハビリをおこなっているためです。退院時には、病病連携・病診連携・介護連携を細やかに行い、患者様が退院された後も安心して継続的な医療や介護が受けられる体制を作っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - - -
大腸癌 - - - - - - - -
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - - -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院は、脳卒中治療を中心に診療を行っているため、公表データはございません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 - - -
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
当院は、脳卒中治療を中心に診療を行っているため、公表データはございません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 497 34.83 76.77 12.04
その他 76 22.36 76.41 1.75
当院に入院された脳梗塞の患者様のうち、86.7%の患者様が発症から3日以内に来院されています。脳梗塞は発症後すぐに専門治療を受けることが非常に大切です。当院では24時間365日体制で脳神経外科医が常駐し、救急搬送の連絡が入った時点から多職種のスタッフが超急性期血栓溶解療法(t-PA療法)やカテーテルを用いた経皮的血栓回収術な等を患者様が到着後すぐに提供できるよう常に準備を整えています。また、脳卒中を発症してすぐの患者様を集中管理するためのSCU(脳卒中ケアユニット)病床や、急性期を乗り越えられた患者様のリハビリを行う回復期リハビリテーション病棟を有し、他院に移ることなく一貫した脳卒中専門治療を行うことができます。そのため、転院率は14%未満と非常に低くなっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 113 1.88 13.10 9.73% 80.39
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 37 1.14 39.78 2.70% 66.05
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 33 28.73 59.64 45.45% 75.03
K178-4 経皮的脳血栓回収術 29 0.17 63.55 27.59% 79.97
K1742 水頭症手術(シャント手術) 24 11.4 29.50 8.00% 75.46
最も多い「慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」は慢性硬膜下血腫に対する手術です。多くの場合は頭部外傷を受けられた数週間から数か月後に、頭痛や吐き気、歩行障害、認知障害等の症状が現れる方がおられます。当院では診断後即日入院し手術・リハビリを行います。2週間程で退院となります。

2番目に多い「脳動脈瘤頚部クリッピング術」は、血管にできた脳動脈瘤に対し開頭してクリップで挟み血流を遮断し動脈瘤に入らないようにする手術です。脳動脈瘤は破裂するとくも膜下出血になり、命にかかわります。この手術は未破裂の脳動脈瘤にも行いますが、くも膜下出血に至ってしまった脳動脈瘤が再破裂しないようにも行います。未破裂であれば1週間ほどで退院となります。

3番目に多い「胃瘻造設術」とは、脳卒中などの嚥下障害により経口摂取が不十分で誤嚥のリスクが高い患者様に直接腹部(胃壁)に5~6mm程の穴をあける手術で、チューブを挿入し栄養補給を行う治療です。胃瘻で栄養状態を改善しながら、嚥下訓練やほかのリハビリ等を継続することが可能となります。経口摂取が可能となった場合は抜去します。

4番目に多い「経皮的脳血栓回収術」は、発症数時間以内の脳梗塞に対し行います。脳梗塞は脳動脈の狭窄や閉塞により虚血が起こり一部の脳組織が壊死する病気です。この手術は閉塞した血管にある血栓を回収し脳組織に血流を再開させ脳梗塞の悪化を防ぐ手術です。超急性期にこの手術を行うことにより後遺症なく退院される患者様も多くなりました。

「水頭症手術(シャント手術)」は水頭症に対し行われる手術です。水頭症は認知機能障害・歩行障害・尿失禁等の症状を引き起こします。タップテストという検査入院で確定診断を行い、手術を施行します。当院は「正常圧水頭症センター」を開設し「正常圧水頭症」に対する「水頭症シャント術」を多く施行しています。認知症の症状と似ているため「認知症だから仕方ない」とご家族様が諦めてしまっているケースの中には「正常圧水頭症」の患者様もおられます。手術やリハビリを行うことにより多くの患者様が回復されています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
当院は、脳卒中治療を中心に診療を行っているため、公表データはございません。
更新履歴
2021/9/21
『病院情報の公表』 令和2年度分掲載